転んでもただでは起きない。困ったことも生かしていきたい 2-2(絵本 de 手相 心理カウンセラー 國本ひろみさん)
転んでもただでは起きない。困ったことも生かしていきたい
【ワークライフスタイル・インタビュー 2-2】
■ 話し手:絵本de手相心理カウンセラー 國本ひろみさん
---- 聞き手: 前田めぐる
--- 私たちの世代は、そういうことも日々の予定に入ってくる年齢ですよね。ひろみさんご自身はいかがですか?ご出身も神戸ですか?
■國本:私は大阪出身で、実家も大阪です。両親も健在で、ふたりとも85歳になりました。おかげ様でとても元気で、それぞれ趣味が忙しいらしく、父は写真や絵画を、母は大正琴をやっています。
また、義母も昨年大けがをして入院していましたが、今は元気にしています。
全然ボケてなくて、メールは絵文字入りで返ってきます。
--- 親が元気でいてくれるって、本当にありがたいですね。
お子さんは何人いらっしゃいますか?
■國本:3人います。
これがまた、三人三様で、全然違うんです。
上から22歳、高校3年生、高校1年生。
男、男、女。
実は、長男は少し前までひきこもりでした。
中学になった時点で口数が極端に減り、高校2年からほとんど話さなくなりました。
食事も一緒にしなくって。
私も夫も、活動的で「動の人」なので、動かない長男を前に「この親からなんで?」って思っていました。
かと思うと、2番目の子は学校にきちっと行き、成績も優秀。
3番目の子は、10時とか好きな時間に学校に行く、自由な子。
--- そんなに違うんですね。
■國本:同じきょうだいでも、なんで、こんなに違うんだろう。特に長男については何がいけなかったんだろうと悩みました。
で、その悩みの延長線上に「手相」が出てきました。
もしかしたら、ひとりひとり違う「手相」がその答えを知ってるんじゃないかって、占いがすごく好きだったわけじゃないけれど、ワラにもすがる思いだったんですね。
--- 手相が好きでとか、手相にのめりこんでとかではなかったのですか?
■國本:はい。
子育ての悩みを解消したくて、たどり着きました。
今まで、いろんな人に相談したけど、学校の先生は平均的なことしか教えてくれないし、病院の先生もなんかピンとこない。ママ友には「うちの子はね」って話を持っていかれました。
私が欲しかったのは、うちの子達についての情報とその子育て方法についてだったんです。そこで、「手相」っていうのは、誰一人として同じのがないのでピンポイントで知りたいことがわかるんじゃないかと調べ始めたんです。
で、そうやって自分の子育てもままならないまま、ボランティア活動を熱心に続けていたんですが、そちらでも悩みがあったんですね。
人形劇の最中に、子どもたちは熱心見てくれているんですが、お母さんは後ろでおしゃべりをするのです。
気持ちはわかるけど、それでは子どもが人形劇に集中できないんじゃないかなと気になりました。
子どもと一緒に見てくれたらいいのに。
これ、なんとかできないかな……子どもを膝に乗せてお母さんたちも参加できるようなことないかな、って思いました。
--- そこで、手相?
■國本:そう。子どもの手相の話をしたら、子どもの手相見るために、お母さん達は子どもを膝に乗せて聞いてくれるんじゃないかな、と思ったんです。
で、自分で手相を勉強して、試しにやってみたんです。
理系はこんな子、文系はこんな子、なあんていうと、お母さんたちがハッとして。「ちょっと、〇〇ちゃんおいで!」と子どもを呼んで、膝に座らせました。
それを見て、やった!て思いました。
さらには、もしかして、これってお金払ってまで知りたい情報なんじゃないの?って気づき、 それが私の趣味起業が始まりになりました。
--- なるほど〜。でも、最初は独学だったんですよね?ご自分の悩みを解決できないかと独学で始めた手相が、いつしか趣味ではなく、仕事になっていくところがすごいと思います。
講座にして、他の人もそれを学べるようにと、独自の手法をつくっていかれましたね。人前で話すということも、ご結婚前に役者の勉強されたことが大きく役立っているのではありませんか?
■國本: そうですね。役者になりたくて学校で学び、結婚して子どもが生まれて、絵本を読み、やがて悩みが生まれて、それを解きほぐすのに手相を学んで……それが自然に私のなかでひとつになった気がします。
女性って、同時進行できるんですよ。家事でもそうですもんね。洗濯しながら、合間に料理したりしますよね。
そんな感じで、あ、手相と絵本をくっつけてもいいよね、と思いました。
知らない人は「絵本de手相」と聞くと「わけわからん、なんでそうなる?」と不思議な顔をするけれど、フツーに楽しく同時進行できます。
もちろん性格もあるかもしれません。転んでもただでは起きない。困ったこともどっかで生かしていきたいのです。
--- 手相について、以前「私はこれを使って、いろんな人と友達になりたい」とおっしゃったのが印象的でした。
■國本:そうなんです。親子de手相というのをしているんですが、最初は子どもさんの方からお話します。
たとえば「この子は理系だからデータや数字に基づいて教えてあげたらいいよ」っていうと「わあ!私も理系なんです」ってパッとお母さんのお顔が輝きます。
「この子の頭脳線は長めだから、じっくり考えてから動きたいタイプです。
お母さんは早くしなさいと言いたくなるかもしれませんが、ちょっと待ってあげた方が、この子のいいところを伸ばしてあげられますよ。」
そんな感じです。
--- うれしいですね。お母さんたちは、育児の相談をする相手ができたんですから。それも、友達みたいなひろみさんに。うれしくって、いっぱい話しをしたいでしょうね。
■國本:そうなんですよ。手相でお子さんのことを話していると、必ずといってもいいぐらい、お母さんはご自分のことを話されます。
「実はね、今仕事を……」とか「旦那がね……」とか別の話も相談されるようになり、カウンセリングの勉強にも力を入れました。
よく、子どもにイライラして怒り過ぎてしまうという方がいますが、それって
実は原因は子どもにはなく、本当の悩みは親のことや、夫婦のことだったりします。よく聞いていくと、根っこが別にあるんです。本人もあんまり気づいていませんが。
--- そういうのは、手相を見ながら話を聞いて、自分でいろんな人を見ながら体系立てていったわけですか?
■國本:そうですね。だんだんそのパターンがわかるようになりました。
--- すごいですね。まずは、自分の悩みがあり、それを解決したくて学んだことが、同じように悩みを持つお母さんたちに役立つスキルになったんですもんね。
私も子どもがいるので、読み聞かせはしてきましたが、これが仕事になるとは考えたこともなかったです。
ボランティアでしている人しか見たことがありませんでした。
だから、ひろみさんを見て、「すごい、これだ」って思いました。
絵本と手相と組み合わせて、「お子さんは赤ずきんちゃんですね」とタイプ分けして、占いに。さらに心理の勉強もされ絵本de手相心理カウンセラーという仕事にされた。
まさに私の本にも書いている「オリジナル」を生み出している人がここにいると感動しましたね。
>続く