ワークライフ・バリュー〜きっと見つかる自分らしい働き方

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90歳でも現役のデザイナーでいたい 1-1(小泉達治さん・有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役)

90歳でも現役のデザイナーでいたい

【ワークライフスタイル・インタビュー:1-1】

 小泉達治 さん(有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役

 http://www.koizumidesignfactory.com

----  聞き手: 前田めぐる

https://www.maedameguru.com

 

【ワークライフスタイル・インタビュー 1-

 

9名中8名が女性、つまり社長以外は全員女性。

女性が働き続ける職場、京都のデザイン事務所 「コイズミデザインファクトリーの小泉達治社長にお話をうかがいました。

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前田---- 本日は、どうぞよろしくお願いします。

有限会社コイズミデザインファクトリーさんは、小泉社長以外は全員女性なのですね。

 

■小泉達治さん(以下名字のみ・敬称略):はい。ぼくをいれて8名、在宅社員を入れると9名。ぼく以外は全員女性です。

あとひとり、インターンのスタッフも女性です。

インターンは常時ではありませんが、年間に3-4名、専門学校や職業訓練校などから来てくれています。

 

----- 女性を前向きに採用しようと思われたきっかけは何ですか。

 

■小泉:創業当時、26年くらい前から意識していたわけでも、はっきりしたポリシーがあったわけではないのですが、専門学校や美術系の大学というのはもともと女性の割合が多いんです。もう本当に、8割、少なくとも7割とか。

 

特にぼくも学生時代(短大でしたが)、周囲は9割ぐらいが女性だったんですね。しかもそこに高校を卒業してポンっと入るでしょう。普通科の公立高校を卒業したぼくは、3年間ずっと制服だったんです。

学生服か、もしくは体育の時間に着るジャージかどちらかしか、学校で着ないでしょう。家に帰ったときに着るちゃんとした私服って3年間持っていなかったわけなんです。

 

ところが、突然短大で女子ばかりのところに入るとなると、18歳くらいの女の子って圧倒的におしゃれなんです。大人っぽいんですよ。

だから、自分がものすごく、遅れているというのか、ダサいと感じたんですね。

しかも、京都にある銅駝という美術の学校(京都市立銅駝美術工芸高等学校)から来た子などは、高校時代から私服なんです。

そんなところから来た女の子もいるので、そうするとほんとに格差がある気がしました。

 

しかも実習の作品を見ても、女の子の作品は垢抜けていました。いくら絵が上手とはいえ、普通科の高校を出たぼくからみれば、彼女たちの作品は垢抜けているんです。コンプレックスなくらいでしたね。

そんな彼女たちに追いつこうとがんばって卒業して、就職。

入った会社はアパレル関係にグラフィックやデザインを提供する会社だったので、やっぱりそこも女性社会なんです。

圧倒的に、女性のブランドのほうが数も多いし、華やか。男性に比べて感性も違う。またそういう中で3年くらい仕事をしました。

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---- デザイン事務所ですか?

小泉:そうではなかったのですが、織りネームのメーカーだったので、織りネーム以外にもアパレルにいろんな提案をしていた会社です。ブランドのロゴをつくったり、ダイレクトメールをつくったり。

ショップで使うタグなどの細かいものまで……そのブランド運営に必要な販促物はすべてつくっていましたね。

 

----- なるほど。アパレル専門のデザイン事務所のような役割もあったわけですね。

 

■小泉:その会社にも男性はぼくだけでした。たまたまなんでしょうけれど。学校でも会社でも、周囲は女の子ばかり。

で、その会社にいた女性2人を連れて、独立したので、そのままずっと今に至るという感じですね。

 

特に男性を採用するきっかけがなかったとも言えますが、求人を出していても、結果的に女性を採用しているというのは女性の感性を目の当たりにしているというところは大きいですね。若かったので、ショッキングなまでに男女の落差を感じました。

 

高校を受ける前に、まず美術の先生からも銅駝(京都市立銅駝美術工芸高等学校)という高校があると打診はされたのですが当時、大学入試は共通一次だったんです。

総合点がラインに達しないと切られてしまい、実技試験にもたどり着けないために、普通科の高校を選びました。

ところが、高校3年になる前に父が亡くなったので、4年生をやめて、2年制に鞍替えしたんです。結局共通一次は受ける必要がなくなり、何のために普通科の高校を選んだってことになりましたけれど。

 

-----  普通科であっても、美術部には所属してらしたんですね。

 

■小泉:はい。受験対策もあったので、美術の先生から1年のうちから受験対策はしたほうがいいと言われ、入りました。そのときも、女性ばかりでしたね。男性はぼくともう一人だけ。合宿にいっても、女性ばかり。

そんなトラウマがあって、うちの息子2人は銅駝なんですよ。

 

----- では、息子さんたちもデザイン系のお仕事に?

 

■小泉:ふたりとも今は働いています。上の子は東京でカメラマンのスタジオでアシスタントを。下の子は富山の大学でデザインをしています。

 

----- 富山は、デザイン、いいですものね。

 

■小泉: ええ、プロダクトはやはりいいです。何かしら関連がある仕事なので、楽しみです。

全く同じ仕事をするよりは、カメラマン、プロダクト、グラフィックとちょっとずつ違う仕事をしているほうが、面白いなあっていう気がしますね。

 

この仕事をまともに継いでほしいということはなくて、ちょっとずつ違う仕事でゆくゆく一緒にできればいいなと。

 

続く

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【ワークライフスタイル・インタビュー 1-