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女性の良さ・個人の良さを認めながら新たなチャレンジを 1-4(小泉達治さん・有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役)

女性の良さ・個人の良さを認めながら新たなチャレンジを

【ワークライフスタイル・インタビュー:1-4】

小泉達治 さん(有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役

 http://www.koizumidesignfactory.com

----  聞き手: 前田めぐる 

https://www.maedameguru.com

 

-----ところで最初におうかがいしたお母様のことですが、仕事をされていたのですよね。

 

■小泉:はじめは、ロウケツ染の仕事をしていました。ぼくが小さい頃友禅染が非常に景気が良かったんです。京都中の染屋さんがもうかっているような時代が少しだけありました。

それで少しだけうちの両親も友禅に職を変えて職人をしていました。やがて友禅が衰退していき、工場も続けられなくなったとき、帯やきものに螺鈿の細工をする仕事に切り替わったんです。

そこで、母はその仕事に移り、そこで螺鈿の職人をずっと勤めました。65 になったときに退職しました。小規模なところで、作業は母一人がしているような感じでしたね。

 

-----ロウケツから型友禅、そして螺鈿へと、65 歳までお仕事をされてきた。なんだか、今なさっているデザインの仕事の仕方と似ていますね。

社長が・グラフィックを核にデザイン周辺の仕事をされているように、お母さまも友禅のセンスを核に染の周辺の仕事をされていた……共通項を感じます。

 

■小泉:そうですね。母も絵を描きたいと思ったこともあるようですが、それほど裕福ではなかったので、中学を出てすぐ就職しました。

ぼくが小さいときも、絵を描いてくれるような母でした。

 

-----本当に絵がお好きで、続けてこられたんですね。

間近で拝見していませんが、きっとすごく才能がおありのお母さまで、それを受け継がれたのですね。

妹さんとも小さい頃、よく家で絵を描いてらしたのですよね。

 

■小泉:今でもデザインをやっているような人は多分、ほんとにそういう自分で隙で描いてきた人が多いんでしょうね。そういう人しか残っていないんだと思います。

そうじゃなくてデザイナーになった方もいますが、

 

-----型友禅から螺鈿に映られても、その時も同じようにお辞めになった方もいらっしゃるんでしょうね。でもお母様は続けてこられた。それはコアなスキルがきっちりあったんですね。

 

■小泉:多分、それとやっぱり好きだったんでしょうね。

友禅が景気のいい頃は誰でも、絵が好きじゃなくても、職人になっていた時代があったんです。

でも、だんだんふるいにかかってきて、本当に好きでがんばってやってきた人が残っている気がします。

 

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女性スタッフがプロデュースする手づくり作家「maco maako 」のサイト

http://macomaako.com

 

-----最後に女性活用についてお感じの所があればお教えくだい。

 

■小泉:皆によく言われるのが「女性ばかりは大変でしょう」ということです。

女性がたくさんいると、派閥ができたり大変っていう先入観があるみたいです。

でもうちは、一度もそういうことはなくて、なんでかなと考えたんですが、女性のまっとうな上下関係をつくってあげることが一番いいということなんです。

それがさっき言ってた、先輩が若手に教える、それを受け継いでいく流れみたいなものが自然にできてきたので、派閥みたいなものはできなくてすんだと思うんです。

よく一般の会社で、女性同士の軋轢みたいなことを言いますが、それは男性が女性の役割分担みたいなものをうまくできていないからだと思いますね。

男社会がもたらす弊害みたいなものかもしれませんが、経営を男性がやっているうちは、女性の働きやすいシステムもちゃんとつくってあげないとだめなんですが、それがおざなりになっているんですね。

そういう弊害をなくして、もっと女性を上手く活用しないと損ですよ、と世の男性経営者に言いたいですね。

 

-----役割分担をして、適材適所で女性の能力を活かせるような仕組みをちゃんとつくってあげてほしいということですね。

そのほうが皆が伸びていけると。

 

■小泉:そうですね。男性も同じなんですが、女性の場合はそれが特にできていない。

女性の良さ、個人の良さをみとめてあげればいいんですね。

近年、うちの会社では今までの仕事のスタイルを変えようといろんな取り組みをしています。

 

-----どんなお取り組みですか?

 ■小泉:受注産業としてのデザインから脱却しようというチャレンジです。

デザイン事務所はどうしても、クライアントに言われて仕事を請けることが多いのですが、そればかりだと先細りになります。社会やクライアントの景気に左右されます。
でも、それじゃダメだ、もっと攻めていこうと思うんです。

まず「KDFactory’s」を商標登録しました。すると、ブランドとして打ち出すことができます。これまでつくってきたデザインやモチーフなどをデータ集にして、順調に売れています。

 

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ロイヤリティフリーで商品化できる柄ストックのサイト

garafactory(販売サイト) http://www.garafactory.com

また、これを機に年間数百点、開業以来数千点デザインしてきたTシャツの柄を有効活用するようにしました。常時数百点ストックして販売しています。これまでのように1点1点発注しなくても、このデータ集さえ購入すれば、ロイヤリティフリーで使えるというものです。

 

他にも、「飛ぶクラブ」として知る人ぞ知る「Roots Golf」の商品開発から販売代理店まで手掛けて、「開発→サイト設計→販売」をトータルに支援する販売代理店事業も始めました。

また、個々のデザイナーの得意分野を生かして、ブランド開発支援も行っています。

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「Roots Golf」では、商品開発から販売サイト、販売代理店までトータルに手がけている。

Roots Golf インターネット正規販売店(販売サイト)

http://www.kdgolfstore.com

 

----ダイナミックな変化ですね。変化し続けることが、クリエイティブのもうひとつの仕事だと思います。

 

■小泉:まだまだ先は長いですからね。優秀な社員たちとともに、楽しみながら私自身も変化していきたいし、90歳でも現役のデザイナーでいたいんです。

 

-----90歳で現役のデザイナー、かっこいいです!
健康寿命も伸び、高齢でも若々しいアグレッシブなセンスのアーティストやクリエイターがたくさんいます。

90歳でも働ける、そんな時代がきていますよね。

本日はどうもありがとうございました。

 

 ■小泉:ありがとうございました。

 

 


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【ワークライフスタイル・インタビュー 1-4】