ワークライフ・バリュー〜きっと見つかる自分らしい働き方

スゴくなくても、資格がなくても、何歳からでも働ける!自分らしく働き続けて人生を楽しみたい人を応援します

もし「サザエさん」の波平さんが77歳だったら?働いてる?働いてない?

『もし波平が77歳だったら?』

▪️そもそもその前に本当は何歳なのか?

と思って調べてみました。

図書館や辞書ではなく、知恵袋こんな質問があったので
「磯野家全員の年齢を教えてください」……ベストアンサーを引用

 

サザエ・・原作27歳、アニメ24歳
波平・・54歳
フネ・・48歳
カツオ・・11歳
ワカメ・・原作7歳、アニメ9歳
マスオ・・原作32歳、アニメ28歳
タラオ・・原作3歳、アニメ4歳

ずいぶんサザエさんは若いんですね。

波平さんにいたっては、うっ、54歳??

あのヘアスタイルでそれはないと思うのですが、周囲の人に聞いても「そうらしい」ということです。

ということは、定年がそろそろ気になる……

「あと6年もすれば、このネクタイを締めることもなくなるのか。サラリーマン生活ともお別れだな」……ささやかな寂寥感と見事にニッポンのサラリーマンをやりきった充実感とで、マスオさんと一杯飲りながら、つぶやいたりしているのでしょうか。

 

しかし、ここで断言しておきましょう。

「定年まで勤め上げたら、趣味とボランティアに生きる」というロールモデルは過去のものとなりつつある」と。

 

 

▪️もしも10年後サザエさんに出てくる波平さんが77歳だったとしても……

元気で働いている可能性が高いのです。

 

この本は、そんなアニメのストーリーを予測する話では毛頭なく

日本のシニアのワークスタイルとその可能性を予見する堅実なビジネス書なのです。
(可愛い表紙ですけれど)

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産経ニュースによれば

厚労省は毎年各年齢の人が平均何年生きられるかを表す「平均余命」の見込みを計算。0歳の平均余命を「平均寿命」としている。……略……

平成27年生まれの日本人で75歳まで生きる人の割合は男性74.6%、女性87.7%。90歳まで生きる人の割合は男性25.0%、女性は49.1%だった。

まあ、こんなデータを読むまでもなく、私のまわりにも元気な先輩方がたくさんおられます。

つい先日も70歳を過ぎた女性の方が

「日本の人口ピラミッドは、こんなおわんみたいになってますでしょう。
あれね、ひっくり返したらよろしいんですわ。そしたら、シニアが下になって若者を支えている図になりますよねえ。まだまだ働ける元気なシニアが、若者をリードしてひっぱていきますねん」

とおっしゃって、すごいなあ、カッコイイなあって思いました。

 

▪️もし波平が77歳だったら? 

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『もし波平が77歳だったら?』

(著者 株式会社ブレインワークス代表取締役 近藤昇  カナリアコミュニケーションズ刊)

「日本の主役はシニア」と明言し、実際に世界で活躍する「アクティブシニア」を紹介している本書。心強い。

 

誰しも年をとります。

30歳を過ぎてからは、40、50と、それはもうロープの切れたエレベーターのごとくすごいスピードだという人もいますけれど……でも……この本を読むと
「いやいやいやいや、そんなエレベータに閉じこもってる場合じゃないでしょ。アジアに出ましょう!世界があなたを待っていますよ」と言われているみたいで、元気になります。

希望が持てます。

50代とかひよっこじゃないですか。まだまだこれからじゃないですか。

と思えてきます。

 

▪️もし波平が77歳だったら? 

著者はアジアビジネスのブリッジサービスを手がける株式会社ブレインワークスのCEO 近藤昇氏。
30代で起業した氏は20余年を経て、自身が50代となり、付き合う相手がシニア世代になってきた。そこで

想定外のネタをもらい、刺激を受ける。……略……社会貢献や、日本や地球の未来を憂えて何か一つでも役に立とうとさまざまな活動をしている方もいる。

子どもたちの未来に貢献しようとアイデアを練っている方もいる。あるいは、シニアで初めての企業にチャレンジする方もいる。アジアに単身乗り込んで、かつての日本を思い出しながら大活躍する方もいる。(P6)

そこで 

知らない間に、気づかない間に、固定観念や思い込みで心の中の定年を迎えてしまっている人がいるとしたら、日本のこれからにとって、大きな損失になる。

というのが本書が著された経緯なのです。

 

▪️第1章 シニアが主役の時代がやってくる

高齢化社会が言われ出してから、何年も経ちますが、身近に元気なシニアの方が本当に多いと感じます。
日本とアジア各国をしょっちゅう行き来する近藤氏は「日本の国内だけで見ることが、大衆の不安要素になっている」と語ります。

 

確かにアジアの国々を見ると、日本とは正反対。若者がボリュームゾーンで、高齢者が少ない。おわんを逆さにした形です。
しかも、アジアの国々は日本のシニアをとてもリスペクトしている。
国内で肩身がせまいと感じているシニアは、アジアに出ると「尊敬されるべき存在」であり、まだまだ一花もふた花も咲かせるチャンスがあると。

▪️目次を読むだけでシニアの方も私たちも元気が出てくる本

しかも、本書でさらに勇気付けられるのは、すべて著者が直接知る「アジアで活躍するシニア」であるという点です。

国内の新聞にも書かれていないような情報がつぶさにまとめあげられており、実に有効な「アジア進出におけるシニア人材活用の実務書」および「シニアに向けてアジアで起業を呼びかける指南書」ともなっているのです。

 

勇気が湧いていきますね。
目次の章立てを記しておきます。

『もし波平が77歳だったら?』

第1章 シニアが主役の時代がやってくる

・本当に高齢化社会はそんなに深刻なのか?

・高齢者は日本ではなぜ肩身が狭いのか?

・データは今のシニアの元気さを証明している

・シニアと呼ばれるとイヤですか?

・知られざる元気なシニアの活躍

・シニアの知恵と経験を宝の持ち腐れにしない

・これからの消費はシニアと外国人が主役になる

・あなたの人生は何毛作ですか?

・大活躍のシニアを表舞台に、そして主役に

 

第2章 アジアでもう一花咲かせませんか?

三丁目の夕日に再会できるアジア

・アジアの経営者はシニアを待っている

・今とこれからの日本ではなく昔の日本が役立つ

・なぜ、シニアはアジアでリスペクトされるのか?

・タイにはジャポニカ米を作り出した伝説の人がいる

・職人が消える日が近づく日本

・現地で定年退職、やり残したことが山のようにある

・アジアの人材育成はシニアに任せるのが一番

・実はアジアにも高齢化が迫っている

・クールジャパンはシニアも主役になるべし

 

コラム―大活躍するシニア(その1)

・アウェーのアジアで日本代表はがんばっている

・昔は企業戦士、今は地球を守るビジネス

・いてもたってもいられない! カンボジアへ飛び出したチャーミングな女性

・日本の農業を世界に伝える

・地方都市をベトナムにつないだシニア

・日本のお菓子文化を東南アジアへ

・アジアビジネス探索者を名乗り活動するシニア

 

第3章 日本の起業をシニアが活性化する時代

・起業家の増えない日本の深刻な課題

・シニア起業はこれだけ社会が求めている

・シニアの活躍の場はますます広がる

・シニアの起業は日本型アントレプレナーシップ

地域活性化ビジネスはシニアなくして成り立たない

・自分たちの時代は自分たちで創る

・シニア起業は再チャレンジが難しい?

・ビジネスはロマンとソロバン

 

第4章 中小企業と日本はシニアで蘇る

・中小企業に若者が集まらない残念な国・日本

・中小企業に埋蔵されている技術やノウハウは シニアが持っている

・シニアパワーで会社を変革する時代

・シニア予備軍の転職に対して思うこと

・中小企業の後継者問題を考える

・アライアンスの時代はシニアが付加価値を生み出す

・日本の農業の再生はシニアがリード

 

コラム―大活躍するシニア(その2)

吉野川に生きる―知られざる徳島 ―課題先進県からのシニア中心による地方創生

・シニア世代を代表する社長請負人

ソニースピリッツの伝道師

・創業精神を若い世代に伝える

ベンチャー支援はライフワーク

・70歳目前にしての起業には、正直驚く

 

第5章 シニアは強みと弱みを知り、変化を起こす

・何かをはじめるのに遅すぎるということはない

・自信と経験がマイナスになることもある

・炊事・洗濯ができることが自立の第一歩

・アナログは日本の強みの源泉

・その人脈いつまで価値がありますか?

・シニアに必要なセーフティネット

・シニアとのお付き合いの心得

・若者はシニアが叱って育てるべし

 

第6章 シニアが快適に過ごすためのICT活用

・シニアが主役の時代にはICT活用は不可欠

・シニアのICT活用の重要ポイントは『つながる』

・若者だけでなく、シニアが快適に使えるICTが必要

・シニアはコンテンツとノウハウの宝庫・匠の技をシニアが世界にどう伝えるか?

・シニアがICTを仕事に使うと何ができるか?

・ICT活用する土壌作りは国の役割でもある

 

コラム―大活躍するシニア(その3)

・毎日を新鮮な気持ちで仕事に向き合う

・人に教えることの喜びを知る・富山の精神風土「土徳」をもってアジアへ

・陽気な母さんのパワーで地域活性化

・おちゃめなシニアは現役イラストレータ

・万年青年企業を掲げる社長の源泉は 「コンチクショウ精神」

 

第7章 シニアがリードする課題先進国日本の未来

・日本の取り組みは世界のお手本?

・シニアは次世代と世界の羅針盤になる

・世界は日本のシニアを待っている

・『もったいない』を日本は取り戻すべし

・自分たちが、楽しくシニアライフを 過ごすための環境を作る責任

・介護の問題は国の課題ではあるが 自分の事として考えることが重要

・産官学の取り組みへの期待感

・福祉先進国に学ぶこと

・21世紀は地球を守るビジネスの時代

団塊の世代が77歳になる頃には

いかがでしょうか。

このあっちから見たり、こっちから見たり、多角的な視点でアジアにおける可能性をしっかりと掘り起こした内容です。

ページをめくると、行間スカスカではなく、図表も充実。

しかも、面白い!!
アジア進出を考えている経営者、アジアで一花咲かせたいシニアの方には、必読の書といってよいでしょう。

「早く会社を辞めたい」と悶々とせず、在職中も充実して働き、独立後のスタートに大きく差がつく働き方とは?

「早く会社を辞めたい」

フリーランスになる前の私は、毎朝出社するたびにそう思っていました。
独身だったので、育児や介護が理由ではありません。

仕事がたくさんあるのはいいのですが、とにかくハードで疲れていたのです。
上司は引き止めてくれましたが、そこで働き続ける選択肢はありませんでした。

けれど、いま「会社を辞めたい」と考えている人がいたら、「ちょっと待って」とやはり言います。

理由は、今回出版した本のおまけPDFにも書いています。

会社員としての悩みがあればあるほど、あと少しそこでふんばってみることの意味を。

育児や介護が理由ならなおさらなのです。

 

「辞めたい」と思い、「辞めよう」と決めたなら、在職中に

・周囲に対して何ができるか

・在職中に何を学べるか

・辞めてから出会う人たちに何ができるか
を考えるのとそうでないのとでは大きく差がつきます。

辞めようと決めてからの時間を有意義に過ごした方がいいに決まっていますよね。
社員としての自分を客観的に眺め、「この社員が長く働き続けるにはどんな問題を解決して、どんなことを整備したらいいだろう」と経営者目線で考えるのです。

 

つまり、当事者としての体験は、当たり前ですが辞めてからはできないこと。

そして、退職後フリーランスとして独立し、BtoBで支援したいと思うなら

「今いる場所で体験してみる」ことの学びはあまりにも大きいのです。

詳しくは、本書についてくるおまけ PDFの「第0章会社を辞める前に」をお読みくださいね。

おまけPDFはここから ↓ 

著書『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』 - 社外片腕 前田めぐる | 経営戦略・企業価値向上支援・広報支援

 

前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?

 

2月28日発売『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(前田めぐる著・日本経済新聞出版社刊)

はじめまして。
フリーランスでコピーライターの前田めぐるです。
4年ぶりに新刊を上梓しました。

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こんな方にオススメです!

フリーランスで働きたいけれど、どこから何を始めればいいのか悩んでいる人
・アドバイスがほしいけど誰に聞けばいいか、わからない人
フリーランスで始めたけれど、情報が多すぎて、ブレブレで迷っている人
・育児や介護とフリーランスを両立させたい人
・会社員だけれど、個力を磨いて、フリーランスと両立したい人
・ずっとフリーランスだけれど、次のステージに行きたい人
・何もしなくても過ぎていく日常をなんとかしたいと考えている人

 

もっと詳しい内容やプレゼントについては、HPをご覧ください。 

    ↓    ↓

テレワークで進める育児・介護と仕事の両立支援
前田めぐる事務所までお問い合わせください

https://www.maedameguru.com

 

前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?

 

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女性の良さ・個人の良さを認めながら新たなチャレンジを 1-4(小泉達治さん・有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役)

女性の良さ・個人の良さを認めながら新たなチャレンジを

【ワークライフスタイル・インタビュー:1-4】

小泉達治 さん(有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役

 http://www.koizumidesignfactory.com

----  聞き手: 前田めぐる 

https://www.maedameguru.com

 

-----ところで最初におうかがいしたお母様のことですが、仕事をされていたのですよね。

 

■小泉:はじめは、ロウケツ染の仕事をしていました。ぼくが小さい頃友禅染が非常に景気が良かったんです。京都中の染屋さんがもうかっているような時代が少しだけありました。

それで少しだけうちの両親も友禅に職を変えて職人をしていました。やがて友禅が衰退していき、工場も続けられなくなったとき、帯やきものに螺鈿の細工をする仕事に切り替わったんです。

そこで、母はその仕事に移り、そこで螺鈿の職人をずっと勤めました。65 になったときに退職しました。小規模なところで、作業は母一人がしているような感じでしたね。

 

-----ロウケツから型友禅、そして螺鈿へと、65 歳までお仕事をされてきた。なんだか、今なさっているデザインの仕事の仕方と似ていますね。

社長が・グラフィックを核にデザイン周辺の仕事をされているように、お母さまも友禅のセンスを核に染の周辺の仕事をされていた……共通項を感じます。

 

■小泉:そうですね。母も絵を描きたいと思ったこともあるようですが、それほど裕福ではなかったので、中学を出てすぐ就職しました。

ぼくが小さいときも、絵を描いてくれるような母でした。

 

-----本当に絵がお好きで、続けてこられたんですね。

間近で拝見していませんが、きっとすごく才能がおありのお母さまで、それを受け継がれたのですね。

妹さんとも小さい頃、よく家で絵を描いてらしたのですよね。

 

■小泉:今でもデザインをやっているような人は多分、ほんとにそういう自分で隙で描いてきた人が多いんでしょうね。そういう人しか残っていないんだと思います。

そうじゃなくてデザイナーになった方もいますが、

 

-----型友禅から螺鈿に映られても、その時も同じようにお辞めになった方もいらっしゃるんでしょうね。でもお母様は続けてこられた。それはコアなスキルがきっちりあったんですね。

 

■小泉:多分、それとやっぱり好きだったんでしょうね。

友禅が景気のいい頃は誰でも、絵が好きじゃなくても、職人になっていた時代があったんです。

でも、だんだんふるいにかかってきて、本当に好きでがんばってやってきた人が残っている気がします。

 

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女性スタッフがプロデュースする手づくり作家「maco maako 」のサイト

http://macomaako.com

 

-----最後に女性活用についてお感じの所があればお教えくだい。

 

■小泉:皆によく言われるのが「女性ばかりは大変でしょう」ということです。

女性がたくさんいると、派閥ができたり大変っていう先入観があるみたいです。

でもうちは、一度もそういうことはなくて、なんでかなと考えたんですが、女性のまっとうな上下関係をつくってあげることが一番いいということなんです。

それがさっき言ってた、先輩が若手に教える、それを受け継いでいく流れみたいなものが自然にできてきたので、派閥みたいなものはできなくてすんだと思うんです。

よく一般の会社で、女性同士の軋轢みたいなことを言いますが、それは男性が女性の役割分担みたいなものをうまくできていないからだと思いますね。

男社会がもたらす弊害みたいなものかもしれませんが、経営を男性がやっているうちは、女性の働きやすいシステムもちゃんとつくってあげないとだめなんですが、それがおざなりになっているんですね。

そういう弊害をなくして、もっと女性を上手く活用しないと損ですよ、と世の男性経営者に言いたいですね。

 

-----役割分担をして、適材適所で女性の能力を活かせるような仕組みをちゃんとつくってあげてほしいということですね。

そのほうが皆が伸びていけると。

 

■小泉:そうですね。男性も同じなんですが、女性の場合はそれが特にできていない。

女性の良さ、個人の良さをみとめてあげればいいんですね。

近年、うちの会社では今までの仕事のスタイルを変えようといろんな取り組みをしています。

 

-----どんなお取り組みですか?

 ■小泉:受注産業としてのデザインから脱却しようというチャレンジです。

デザイン事務所はどうしても、クライアントに言われて仕事を請けることが多いのですが、そればかりだと先細りになります。社会やクライアントの景気に左右されます。
でも、それじゃダメだ、もっと攻めていこうと思うんです。

まず「KDFactory’s」を商標登録しました。すると、ブランドとして打ち出すことができます。これまでつくってきたデザインやモチーフなどをデータ集にして、順調に売れています。

 

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ロイヤリティフリーで商品化できる柄ストックのサイト

garafactory(販売サイト) http://www.garafactory.com

また、これを機に年間数百点、開業以来数千点デザインしてきたTシャツの柄を有効活用するようにしました。常時数百点ストックして販売しています。これまでのように1点1点発注しなくても、このデータ集さえ購入すれば、ロイヤリティフリーで使えるというものです。

 

他にも、「飛ぶクラブ」として知る人ぞ知る「Roots Golf」の商品開発から販売代理店まで手掛けて、「開発→サイト設計→販売」をトータルに支援する販売代理店事業も始めました。

また、個々のデザイナーの得意分野を生かして、ブランド開発支援も行っています。

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「Roots Golf」では、商品開発から販売サイト、販売代理店までトータルに手がけている。

Roots Golf インターネット正規販売店(販売サイト)

http://www.kdgolfstore.com

 

----ダイナミックな変化ですね。変化し続けることが、クリエイティブのもうひとつの仕事だと思います。

 

■小泉:まだまだ先は長いですからね。優秀な社員たちとともに、楽しみながら私自身も変化していきたいし、90歳でも現役のデザイナーでいたいんです。

 

-----90歳で現役のデザイナー、かっこいいです!
健康寿命も伸び、高齢でも若々しいアグレッシブなセンスのアーティストやクリエイターがたくさんいます。

90歳でも働ける、そんな時代がきていますよね。

本日はどうもありがとうございました。

 

 ■小泉:ありがとうございました。

 

 


最初から読む

canyway.hatenablog.com

【ワークライフスタイル・インタビュー 1-4】

デザインは組織力。1人ひとりの成果を最大限に生かしたい 1-3(小泉達治さん・有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役)

【ワークスタイルインタビュー:1-3】

 小泉達治 さん(有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役

 http://www.koizumidesignfactory.com

----  聞き手: 前田めぐる

https://www.maedameguru.com

 

小泉: それから、いま残業をするなということがすごく言われるでしょう。

残業=悪、みたいな。何時間削減するとか、数字の上だけの話になっています。

そうじゃなくて、人にフォーカスしたいと思いますね。

残業してる、何してるんだろう。何かを達成したくて、本人の意思でやってるんだとわかったら、それはさせてあげたほうがいですよね。能力以上の仕事をやってて、それをクリアしたくてやってることもあるでしょうし。


とにかく、数字よりも「人」をものさしにしたほうがいい。そしてその「人」はひとりひとり違うわけです。個性も能力も。

それを数字でしか判断しないから、ブラックかそうでないかの論議になる。

もちろん、ニュースになるような、あんな性質のブラックはいけませんが、残業時間という数字だけで判断したら、人も会社も伸びません。

もっと1人1人をみなくちゃいけないんですが、それができるマネージャーがいないからブラックになるんだと思います。

 

-----たしかに。そうやって、社長がじかにそれぞれの社員さんを見守っている環境で仕事ができることは幸せです。
1人ひとりを生かせる10人の会社と、そうでない10人の会社とでは明らかに違いますね。

 

小泉:そうなんです。デザインは組織力、だと思います。

大企業と同じことはできないですから、1人ひとりの成果を最大限に生かすことが大事です。

 

-----それでも、若かったスタッフさんが、また教える側になってこられたというのは楽しみなことですね。5年後、10年後と考えればさらに楽しみです。

 

小泉:ちょうど今、いい感じの年齢構成なんです。

40代の主婦、40代の独身、30代の主婦そして、子どもがいる在宅の主婦,20 代から30代にかけて、主婦と独身者……と続いています。

かたちとしては、非常にいい感じです。

-----子どもがいると全く新しい体験ができて、新しいアイデアがわくので、事務所としてもこれからこういうところをクライアントにしていきたいねとか、いろいろ生まれてきそうですね。

 

小泉:スタッフだけのブログがあるんです。在宅のスタッフも書込むし、主婦のスタッフも書込むし、独身スタッフも書き込むんですね。

多分ご覧になると「ここの会社ってよそにはないな」と見てもらえるんじゃないかと思えます。

そういうことがうちの事務所にも大きな貢献をしてくれていると思います。

 

-----こんな人たち、まさにユーザーと一致する層のクリエイターがつくっているということは、まさに「望む形がここにある」と思わされます。

 

■女性からみれば、働きやすい会社だと思います。

 

-----スタッフさんに仕事を任せる、託すというのは、やりやすいことでしたか?

 

小泉:少ない人数でやっていた時期などは仕事が常に満杯状態なんです。

すると仕事を振るしかなくなってくる。ただ一番上と下とでは仕事のスキルも違うから、同じ仕事を回せない。となると、違うレベルの子たちに違う仕事をどうふりわけて、伸びていくか。そのむずかしさは常にあります。

 

-----その采配は、どなたがなさるのですか。

 

小泉:それはぼくがします。もしくは、いちばん上の女性スタッフ2名ですね。

 

----   監督さんがいて、マネージャーさんがいる。そんな感じですね。

 

小泉:うちの仕事の進め方がよそと違うのも大きいと思います。よく他所で聞くのは担当制なんです。

デザイナーが5人いたら5人それぞれにクライアントをふる。すると、Aさんは忙しく、Bさんは暇ということもある。AさんにBさんの仕事を聞いてもわからないし、その逆も分からない。

ところがうちは、1つの仕事を、複数のスタッフで分業しながら関わるので、レベルごとに仕事が皆あるんです。入ったばかりのスタッフは文字のトレースや画像の変換などばかり1 年くらいやるんです。だんだんレベルがあがっていくと、定期ものの決まったデザインをやってもらう。

徐々にレベルが上がっていって長くいると1から10 まで自分でできるようになるわけです。

だからうちのスタッフは、1日の中でもいろんなクライアントの仕事をします。

 

 

-----人が育つ仕組みがちゃんとできている、という感じですね。

 

小泉:それは考えてそういう方法にしたんじゃなくて、最初は誰もできないのは当たり前で、できることをしてもらう。そこから進めて今のかたちになってきただけなんですが、でも聞くとそうじゃない事務所が多いみたいです。

そこは、他所とは大きく違うところですね。

 

----代理店の仕事もなさるんですか。

 

小泉:代理店からの仕事は、ほぼゼロです。

昔から、あまりないですね。ぼくがそういう人脈のある会社にいなかったのもあります。 アパレル会社であり、その関連であり、そこを知っている印刷会社であり……そういうところの仕事が常に満杯の状態でやってきました。

営業をする時間もなかったんですね。

 

-----コンペを引き受けておられますか。

 

小泉:ないとは言いませんが、なるべく参加しないようにしています。

よほど策があれば別ですが、こちらから進んでやらせてというのはないですね。

コンペというのは、条件が一緒とも限りませんし。値段だけで決まることもあるでしょう。選ぶ基準がちゃんと見えてなかったり、最初と違ったり。

最悪なのは、3社なら3社のプランを前に並べて、たとえば投票形式で決めるときです。一見平等なようですが、これほどよくない選び方はない。

たとえば票が一番集まったとしてそれがベストかどうかは言いきれない。結局大衆に迎合するものになってしまいます。

デザインってそうなったら絶対良くないでしょう。だから、投票形式であればうちは降りると言います。

 

 -----それがいいと思います。

 

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続く

canyway.hatenablog.com

 

 

【ワークライフスタイル・インタビュー 1】

男性デザイナーがつくったものと女性デザイナーがつくったものは明らかに違う 1-2(小泉達治さん・有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役)

男性デザイナーがつくったものと女性デザイナーがつくったものは明らかに違う

 

【ワークライフスタイル・インタビュー:1-2】

 小泉達治 さん(有限会社コイズミデザインファクトリー 代表取締役

 http://www.koizumidesignfactory.com

----  聞き手: 前田めぐる

https://www.maedameguru.com

 

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----- 面白いですね。ところで、女性の感性を信頼して一緒にお仕事をされてきていて、実際にクライアントさんからの印象はどうですか。

あなたのところは、こんなところがいい、あきらかに他と違うと言われるなどの評価はありますか?

 

小泉: はい。まず、うちのクライアント、たとえば印刷会社などは男性の営業担当者のほうが多いんですね。

そうするとクライアント社内で男性デザイナーがつくったものと、うちの女性デザイナーがつくったものは、明らかに違いますし、そう言われます。

いい悪いではなく、差異がある。つまり先方にはないものを持っているということで、重宝されます。

 

男性のデザインと女性のデザインはどうしても違うんです。

たとえば、グラフイックデザインでパンフレットなどつくっても、やはり男性のつくったものと女性のつくったものは違います。

うちにしてみれば、自然で普通のことなんですが、クライアントにしてみれば「違う」となるんです。

女性は細かいところまでデザインします。たとえば、ぼくならインパクト勝負でバーンと作って、細かいところは後で考えようとします。ところが女性スタッフの場合は、最初から細かいところまでデザインします。

きちっと詰めた上で組もうとしますね。その点は明らかに違います。

 

----- 字詰めとかタイポグラフィの選び方とか、違いますよね。

小泉: そうですね。ラフなんかでも、ダミーの文章なんかでもこだわって貼りつけていますね。

 

 

-----   よくダミーだからと「これはダミーです」っていうテキストデータがびっしり連打してあるラフがありますが、ああいうのはどう思われますか。

 

小泉:あれは、見た目がかっこよくないですよね。どこかに「らしい文章」を見つけて貼り付けるようにしますね。ダミーですって入れても、タイトルとキャッチにはそれなりの、ダミーの本文でも、冒頭のところはそれらしい感じの文章にするとか。

 

----- やっぱり(笑)。そうですよね。

 

小泉: ええ、日本語って漢字もひらがなもあるわけです。

その内容によって、出てくる漢字があり、字面があります。

その本文に、全くキャッチやタイトルと異質な漢字や、かながたくさんあると、妙な違和感は出てくるんですよね。

そのあたりを、男性はあまり考えない。中には「□(四角)ばかり並べとけばいいか」となる人もいます。でも女性は違いますね。

そういう細やかさは大きく違います。

 

----- そうですね。文字もやはりひとつのデザインですね。

 

小泉:そういう細かいところまで、クライアントが見ているか、気づいているかどうかは別にして、やはり提案する側の雰囲気というものもある。

 

----- きっと、見てらっしゃいます。

もし、気づかなくても、やはりあるだろうと思います。

 

小泉: そうなんです。気づかないかもしれない。でもそういうものの積み重ねなんですよね、デザインって。

気づくところばっかりじゃないんです。

----- そういうことをトップとしてお考えというのも、ひとつには、Mac以前の時代をご存知であることはずいぶん大きいような気がします。

 

字詰を一所懸命詰めたり、そういうことを苦心したりしていました。

DTPに切り替わって以降、そういう部分は希薄になっている気がしますが、そういう意味でのギャップを感じることはおありですか?

 

小泉:それはあります。特に文字組みなどはそうです。デジタルになってからあいまいな文字組が横行しました。それは単純に組む側のスキルがなかっただけで、コンピュータのせいではないんですね。

コンピュータができないわけではなく、使い手のスキルがなくて、そういうことが起きていました。

ところが、そういうものがスタンダードになってきていて、イマドキ風に見せるためのテクニックにもなったりもしてます。

特に最近は、若者向けのカルチャー誌などでわざわざそういう文字組みにすることもあります。

最初はマイナスだったものが、スタンダードになってきたために、それを活かすようなときもあります。

かつてのようにきれいな文字組だけがベストではなくなってきた。

それを使い分けられるかどうかというのがデザイナーの力量なんだと思います。

いまどきのデザインはできるけれど、本来のきれいなデザインのできる。使い分けられる。そういう両方できるデザイナーは少ないと思います。

もちろん、機械的にソフト上で美しく詰めてくれるものはあるし、長文などでは使えるんですね。

ただ、キャッチ1本どーんと目に飛び込んでくるようなときは、スキルが問われます。

 

----- 主婦のかたはどれくらいの割合ですか。

 

小泉:3名+在宅スタッフ1名。在宅スタッフはお母さんでもあります。半分が主婦ということになりますね。

 

-----   なるほど!そういう今の構成になるまで、一番最初ってあったわけですよね。

女性スタッフさんに「結婚するけど、できればこのまま続けたい」と言われたとき、どうでしたか?

 

小泉: 正直、どうしようかなって考えたんです。

で、現実に一番最初に主婦になったのは、うちの家内なんです。結婚してからもスタッフとしてしばらく仕事をしていたんですが、子どもができたときに、ちょっと体調も崩してしまい、専業主婦になりました。

それ以外で最初に「結婚します」と言ってきたスタッフは同時に2人だったんです。で、そのときに女性がスタッフ3名いたんです。3名のうち2名なので、その事実を受け止めて、なんとかやっていくしかないと思いました。

独立して5年目くらい。20 年以上も前のことです。ふたりとも結婚しても仕事はしたいと言っていたので、相談しました。できれば残業がないほうがということで、給与は減りますが、残業なしにしました。

当然キャパが減るので、スタッフを1名増やしました。

 

確かに最初不安がありました。一番がんばってくれていたスタッフが結婚して残業なしになりましたから。

-----それでも、続けてこられて、だんだん主婦としてのキャリアもできていくわけですよね。そのあたりは、仕事として活かされたり、クライアントに対して何か変化があったりしましたか。

たとえば、クライアントにアドバイスするとき、主婦としての意見が役に立ったりとか。

 

小泉: 社内で、序列ができるんです。いい意味で、です。

たとえば、掃除の仕方ひとつにしても、お茶を出した後の片付けとか、細かいことですが、新人のうちはどこからどう手をつけていいか分からないんです。

そういうことも、ちゃんと手本を示したり、まとめ役になってくれたり。

当時若手だったスタッフが今もいてくれるんですが、それは助かったといいますね。その教えられる側だったスタッフが今はまた若手を育ててくれている。

 

----- 非常にいい循環ができていますね。

働き続けるうえで、結婚、出産といった女性のライフイベントは本当にネックになります。

 

小泉:同じように働くことはなかなか無理ですからね。

そのかわり、結婚しても出産しても仕事が続けられるということをうちは優先して考えています。当然、独身のうちから、それにかなう人材になってほしいということを言うし、スタッフたちも自覚しています。

 

-----在宅の社員さんは、やはりお子さんがいらっしゃるから在宅なのですか。

小泉:そうです。今度3人目のお子さんが生まれると聞いています。

 

-----実際にそういう事例が目の前にあるわけなので、新入社員の方も「ああ、ここは子どもを産んでも、仕事が続けられる会社だ」と思いますよね。

 

小泉:そうなんです。続けられるなら、頑張ろうと思うでしょう。

結婚したら辞めないといけない、デザイナーでなくなるとなれば勉強はしないし、新しいことを学ぶ精神力が途切れます。

しかし、続けられると思うから、意欲が違う。

実際うちの社員で25 歳くらいの時期のスキルをみてもらっても、他社と違うだろうと思いますね。皆、とても学んでいるし、一人一人の能力が高い。事務所にとってそれは財産です。

一般の企業ももっとひとりひとりを大事にしようと考えたらいいんでしょうけど、杓子定規に見えますね。まず、制度ありみたいな。

 

-----そうですね。女性を活用しているという企業でも、まだ社会がそうだからとか、大手などはそう言わないと対面が保てない部分もあるでしょう。

制度優先で、時代に引きずられての女性活用だと、いろいろな軋轢が起きることもあります。 やはり。御社のように女性を進んで採用したいんだと思われて、スタッフさんもそれに応えたいとなれば、状況が全然違ってきます。

会社のビジョンと自分のライフイベントが合致していないと、ちぐはぐになります。

 

小泉: そうですね。男性社会がつくった決め事だからそうなるのだろうと思います。

結局、スピリットがそこになくて、形式的に女性を雇っても意味が無いでしょう。男女共同参画だとか、男女平等、機会均等だとか言っても、きめごとばかりです。それが、逆に変に平等扱いしなくてはならないということになってしまう。

本来、男性と女性が平等というのは無理だと思います。

それは、差別ではなく、本質的に違うし、得手不得手もあるでしょう。

それなのに、ハローワークでも「男女の区別は付けられません」と機械的に言われてしまう。年齢に関してもそうですけど。どの職業でも男女差はつけられないかというと、接客業でホステスさんならつけられると。

じゃあ、女性用の下着の販売員の求人ははと聞くと、区別できないそうなんです。でもそこに男性が応募して採用されるわけがないでしょう。そんな意味のない、歪んだ平等が分からないんですね。

うちなどは、女性スタッフがほしいのに、それはできない。

規則で縛るのではなく、もっと道徳的に女性活用を考えられないかとトップの人には言いたいです。

 

-----それ、すごく分かります。

 

小泉:でしょう?規則で決めてどうこうっていうことじゃないですよね。

そこが欠けていて規則だけで決めるから、軋轢(あつれき)がおきているんだと思います。

 

----- なるほど。女性を上手く活用できないときに、言い訳として「制度ができてない」「社会構造が未熟」だという話になりがちですが、その「道徳」で考えるというのはすごく分かります。

女性の活躍というと、男性に負けないようにということだけがそうだとは、私は思わないんですね。

たとえば、御社で女性の No.2 やスタッフさんがきちんと業務を支えているというのも素晴らしい活躍です。

家庭では父権というか、大黒柱があって、それを支える内助の功があります。

それが家庭の中だけで押し込められてしまって、いざ社会にでるときに「男性と同じように働きなさい」と言われてしまいますね。適性や職業でもそういうモラルみたいなものがあるはずですね。適材適所というか、いい意味での役割を知るというようなところは活かせばいいと思います。

それは、ずっと女性を活用してこられた御社だからこそ、いまの形が一番やりやすいということになってきているんだと思います。

 

続く

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【ワークライフスタイル・インタビュー 1-2】